価格設定について


呉服の値段は、同じ品物でも店によってだいぶ違います。
作り手が商社(問屋)に納めてからお客様が購入するまでに、
中問屋なり小売店なりが何軒入っているかによって値段の格差が生じると思います。

「加賀友禅の仕事をしています」と言うと、
「あら、いい仕事ね。収入いいんでしょう」
必ず出てくる言葉です。
お客様は、購入する時の価格から判断されるのだと思いますが、
手仕事は本当に手間がかかって、想像以上に低賃金なのです。
その上、悲しいことに、大量生産のプリント柄の方がデザイン的に優れている場合もあります。
(手間を加えたり、たくさん柄を描いたりすればいいというものではありません。)

ホームページを立ち上げ、自分の作品を発表販売するにあたって、
一番迷うことは、価格設定です。
自分の着物がいくらで売られているのかわからないし、
安く売りたいけれども、いいのかどうか・・・・。(作り手は商売が苦手なのです)
それで、いつもお世話になっているお店と相談し、
ご迷惑のかからない範囲で最低限の価格設定にすることにしました。

おそらく、一般的な加賀友禅の価格よりも安価だとは思いますが、
それは、少しでも多くの方に着物を着ていただきたいという願いと、流通の上での弊害を取り除いた結果です。
決して安価な品物を安く販売しているわけではありませんので、ご理解下さい。

また、自分の知らない所で高く転売されるのは嫌なので、
業者の方とのお取引はお断りさせて下さい。

個々の品物に関しましては、できるだけ誠実に対応させていただきます。
まず、着物を見て、「綺麗だなぁ」「着たいなぁ」と思っていただければ、
作り手にとって何よりうれしいことです。

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